最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)267 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用い上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人青柳盛雄、同大塚一男の上告理由について。
所論は違憲をいうけれども、その実質は、被上告法人から上告人らに対して提起
された本件建物明渡の別訴請求につきこれを排斥する裁判を受ける法律上の利益が
あり、そのための有効な手段である本件訴につき権利保護の利益を否定した原判決
は違法であると主張するに帰する。
しかし、確認の訴が許されるためには、被告に対する関係において原告の地位に
法律上の危険ないし不安が存し、それを除去するにつき当該確認判決を得ることが
適切な手段であることを要するものと解すべきである。しかるに、上告人らの主張
するところによれば、本件で右法律上の危険ないし不安とみられるのは、前記建物
の明渡を命ぜられることに尽きると解されるところ、前記明渡訴訟に勝訴して右危
険ないし不安を除去するためには、その訴訟において被上告法人の法人格を争いあ
るいは自ら占有の正権原を主張立証する等の防禦方法を提出するのが適切な手段で
あつて、本来右訴訟の前提問題として判断されうるにすぎない被上告法人の設立の
効力の有無につき、別訴である本件訴訟においてその確認の判決を求める利益を肯
定する余地はないものというべきである。されば、上告人らが他に権利保護の利益
の存在を理由づけるに足る事情を主張しない本件において、権利保護の利益を否定
した原審の判断は正当であり、所論は採用できない。
よつて、所謂四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
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裁判長裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
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